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2009/02/06

追悼・柴田寿子先生

・お世話になった柴田寿子先生(東京大学大学院・総合文化研究科)が先日お亡くなりになり、本日告別式に出席してきた。以前から体調が悪いらしいという話は伺っていたが、53歳というまだお若い先生が亡くなられたことは大変な衝撃であり、悲愴なお別れであった。

・私は学部や大学院でのゼミ生ではなかったが、博士論文の審査委員として先生のお世話になった。
先生は御専門のスピノザ研究の他にも、アーレントについて御論稿があり、拙論に対しても的確なご質問を受けたことを記憶している。人文社会系とりわけ政治思想や社会思想の研究は基本的に孤独であり、自分の取り組んだテーマがどれだけ理解を得られるか分からない点が多い、と私は思う。だから公募論文などのレフリーから的確なコメントや評価があればうれしく思い、的外れなコメントであれば悲しく思う。それゆえ、審査委員とは言え拙論を深く読まれた上で先生からコメントと質問を頂いたときは、偽らざる感動を覚えたものである。

・博士論文を出版することについても、計画段階から先生からエールを頂いていた。現在出版の修正作業も終わりつつある中で、ようやく学恩に報いることができると思っていた矢先であっただけに誠に残念でならない。

スピノザの政治思想―デモクラシーのもうひとつの可能性スピノザの政治思想―デモクラシーのもうひとつの可能性
柴田 寿子

by G-Tools

・『スピノザの政治思想』以後の先生のご関心として、レオ・シュトラウスのスピノザ論などを構想していたと聞く。シュトラウスについては、過去の記事でも触れたように、近年ではその政治性を危険視する不毛な議論がある中で、先生のご研究は貴重な問題提起を行っていたように思えてならない。日本の政治思想・社会思想にとって大きな損失を憂うと共に、謹んで先生のご冥福をお祈りいたします。

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