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2010/07/02

政治家に必要な教養とは何か――参院選東京選挙区候補者の「お薦めの本」

・読売新聞7/2の紙面で、参院選東京選挙区の候補者「一番のお薦めの本」がリストアップされていたので引用・コメントしてみました。順番は紙面の掲載順。個人的に候補者の読書に興味あったので政策主張は割愛しています。 

・江木佐織(国民新党)、松田公太(みんなの党)、東海由紀子(自民党)、山田宏(日本創新党)、小倉麻子(たちあがれ日本)、矢内筆勝(幸福実現党)、小池晃(共産党)、海治広太郎(新党改革)、森原秀樹(社民党)、竹谷とし子(公明党)、中川雅治(自民党)、小川敏夫(民主党)、蓮舫(民主党)

江木佐織: 多すぎて一冊選べず

松田公太 :自著『すべては一杯のコーヒーから』

すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)
松田 公太

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東海由紀子   :ボブ・ウッドワード他『ザ ファイナル デイズ』

最後の日々〈上〉 (1977年)最後の日々〈上〉 (1977年)
ボブ・ウッドワード 常盤 新平

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山田宏  :サミュエル・スマイルズ『自助論』

自助論―人生の師・人生の友・人生の書自助論―人生の師・人生の友・人生の書
サミュエル スマイルズ Samuel Smiles

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小倉麻子  :中島敦『山月記』

李陵・山月記 (新潮文庫)李陵・山月記 (新潮文庫)
中島 敦

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矢内筆勝  :共著『国難に備えよ』

国難に備えよ―日本の安全保障を問う!国難に備えよ―日本の安全保障を問う!
矢内 筆勝 饗庭 直道 黒川 白雲

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小池晃 :生井久美子『ゆびさきの宇宙:福島智・盲ろうを生きて』

ゆびさきの宇宙―福島智・盲ろうを生きてゆびさきの宇宙―福島智・盲ろうを生きて
生井 久美子

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海治広太郎  :アラン・ピーズ『話を聞かない男、地図が読めない女』

話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
アラン ピーズ バーバラ ピーズ Allan Pease

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森原秀樹  :ミヒャエル・エンデ『モモ』

モモ (岩波少年文庫(127))モモ (岩波少年文庫(127))
ミヒャエル・エンデ 大島 かおり

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竹谷とし子  :緒方貞子『私の仕事』

私の仕事私の仕事
緒方 貞子

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中川雅治  :シーア・コルボーン『奪われし未来』

奪われし未来奪われし未来
シーア コルボーン ジョン・ピーターソン マイヤーズ ダイアン ダマノスキ Theo Colborn

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小川敏夫: 薦める本なし

蓮舫  :自著『一番じゃなきゃダメですか?』

一番じゃなきゃダメですか?一番じゃなきゃダメですか?
蓮舫

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・こういう質問がきたときに「選べない・お薦めする本がない」というのは明らかにマイナスだと思います。自分がどのような人間かを知らない人にアピールする材料をひとつ失っているからです。

・ただアピールだからと言って「一番のお薦めの本」を聞かれて自分の本を挙げるのもいかがなものでしょうか。候補者のセンセイは他にもいろいろ読書されているかと思いますが、「オレはこう生きてきた」「ワタシはこれだけ優秀なの」というメタメッセージを感じます。正直あまりよい趣味とは思えません。

・『奪われし未来』なども微妙です。専門外ですが、今日環境ホルモン論への批判はよく聞きます。この手の議論に精通しているなら、もっと信頼できる本を薦めるはずであり、その点で情報が更新されていないような印象を受けました。

・その点で、自分の主張する政策の裏付けとなる本政治的スタンスにつながる古典を挙げた候補者の方にはセンスがあるように思います。また『モモ』などは大人が読んでも楽しめる児童書で、哲学的な問題を提起しており、森原氏の教養を知ることができます。私もすべての本は知らないので、東海氏推薦の『ザ ファイナル デイズ』(ボブ・ウッドワードでもブッシュはなくてニクソンを扱った本)、小池氏推薦の『ゆびさきの宇宙』(盲ろう者で東大教授となった福島氏を取り上げた本)は読んでみたいと思いました。こういう「読んでみたい本」をさりげなく挙げられることに候補者の知性が感じられます。

・個人的に興味深かったのは、中島敦『山月記』を挙げた小倉氏です。シブすぎます。なぜ『山月記』なのか「個人的に同感する」としか書かれておらず謎です。主人公の自己焦燥・コンプレックスに共鳴したのか、でもそれは立候補者の情報としてあまりプラスにならないのでは……。たぶん立候補とか関係なく、おそらく本当に個人的に共感した本が『山月記』だったのでしょう。その点で必ずしもプラスでない情報を吐露してしまった小倉氏に人間味を感じ好印象を持ちました。

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