明治大学130周年記念懸賞論文に入選しました。
・「リアリティとしての《公共性》とその外部:ハンナ・アーレント《公共性》再考」が、明治大学130周年記念懸賞論文に優秀賞として入選しました。審査頂いた関係者の方々に御礼申し上げます。拙論を高く評価して頂き、今後の研究の励みになりました。また大学で(アーレントを知らない)学生さんに講義することは、「なぜアーレントが重要なのか」を考え直すきっかけとなったと思います。
・拙論は、拙著『公共性への冒険』の後で残った問題をいろいろと考え直した部分が大きいように思います。すでにこのブログで部分的に取り上げられていますが、具体的には、
・アーレントの《公共性》って、われわれの使う「公共性」(公共の利益、公教育、公共放送、公共交通機関etc.)とどのように結びつくの? 「公共性」を「共通のもの」と「公開されたもの」という指標で考えると(これは斎藤純一先生の『公共性』参照)、アーレントの《公共性》ってどの位置にあるの?
・アーレントの「公共性」と「政治」って一致しないところがあるんじゃないの? 例えば「公的」リアリティと、「政治的」虚偽ってアーレントは両方とも大事だって言っているけど、それって矛盾するんじゃないの? 「仮面(ペルソナ)」の比喩で何を語ろうとしているの?
・アーレントの教育論ってやはりツカエナイ話が多いの? ツカエルとしたらどんな議論があるの? 子供って結局は政治の担い手 actor として認められないの?
・以上のような疑問について議論を整理して考えた次第です。どのようなかたちで刊行されるかまだ未定のようですが、ご関心のある方はお時間がありましたら御一読ください。
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